最高だった夏休みが終わり、2学期が始まってしばらくたった。


教室内は受験が始まる人も増え、少しだけみんなの顔つきが変わった気がする。


受験に対して本気になったというか、もうやらなきゃいけないんだって自覚が出てきたのかもしれない。


もちろん私も修斗もその一人。


私は地元の国立大、修斗はサッカーが強くてリハビリの先生になれる科がある県外の大学を受けることに決めた。


離れ離れになっちゃうけど、自分の夢だもん。


頑張らないわけにはいかないよね。


部活も冬の選手権までやるって決めたし、ちゃんと勉強分の時間を取れるように上手く時間配分を考えないと。


「里穂~」


「わっ綾香。どうした?」


「来週、推薦なんだけど~」


私の机の上に頬杖をついてため息をついた綾香の顔には、薄らとクマが出来てた。


「クマ出来てる」


「でしょ~受験はお肌の敵」


「お肌の敵ですか」