最後に一口残ったリンゴを私の口元に持ってくるから、口を開けてそれを貰う。


「ちゃんと食べろよ?」


リンゴを飲み込んで頷く。


「あと、水分補給も忘れずに」


「はーい」


「それから、熱が下がっても部活しばらく出るの禁止。またぶり返すから」


「わかった」


まるで私の保護者みたいな長い長い注意事項が終わると、いってくると言って修斗が立ち上がった。


「いってらっしゃい。楽しんできてね」


「おう」


「修斗らしくね」


「わかってる。俺のプレー、ちゃんとしてくるから」


「うん」


つかの間の休息を終えた修斗は、さらなるレベルアップを目指し合宿へと出掛けた。


それから3日後の新聞に合宿の様子が載っていて、特別招集された修斗が練習試合でゴールを決めいい動きをしてたことが書かれていた。