「修斗のバカ!」


「熱下がんなかったからって、人のせいにすんな」


頬をぐっとつままれる。


「病人いじめるな~」


出掛ける前に修斗が私の部屋に寄ってくれた。


「熱何度あったんだ?」


「7度5分」


「なんでそんなに長引くわけ?」


「知らないよ。あっ、私のリンゴ食べた」


リンゴが食べたいって言った私に、少し時期外れだけどお母さんがスーパーで買ってきてくれたリンゴ。


フォークに刺さってたリンゴを、修斗が半分かじってた。


「まあ元気だけは復活したみたいだな」


ポンポンと私の頭をなでた。


「とにかく、俺が帰ってくるまでに熱下げとけよ」


「うん」