君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「んっ」


「熱上がってるだろ?」


少し汗ばんだ私の額に、修斗の手が置かれた。


「帰ってって言ったのに」


そう呟いた声は息を吐いたようにか細く、修斗に聞こえたかどうかはわからない。


「熱測れよ」


体温計を握らされて、渋々熱を測る。


鳴った体温計を取り出せば勢いよく修斗に奪い取られ、明らかに怒ったような顔して睨みつけられた。


「さっき何度だった?」


「8度5分」


「今は9度。暴れるからだ、バカ」


吐き出された言葉とは違い、今度は心配そうな顔を私に向けてくる。


「これおばさんとこの電話番号だろ?俺掛けるから、ケータイ借りるな」


枕元に置いてあったお母さんから貰った紙に、修斗の手が伸びる。


「今何時?」