君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「よかった~」


そう思った瞬間、全身の力が一気に抜けて、私はその場に座り込んだ。


「やばっ。クラクラする」


ただでさえ熱で体力がないのに、修斗のせいで無駄な体力を奪われた私は、しばらくその場から動くことが出来なかった。


確実に熱上がったかも。


「修斗のバカ~」


「誰がバカだって?」


「へっ?」


この部屋から聞こえるはずのない声が聞こえて、ハッと顔を上げる。


「たく、不用心だよな。鍵くらいかけとけよ」


なんと修斗が私のベランダから部屋に入って来たのだ。


運動神経のいい修斗は、自分の部屋のベランダから私の部屋のベランダに渡るのなんてすごく簡単なこと。


「不法侵入~」


「お前が素直に部屋に入れないのが、悪いんだろ?」


少し怒ったような顔をして、私に近づいてくる。