「そうだね」


「メンバーに入れなかった部員、マネージャー、親や先生方、応援してくれた学校の生徒。あと、病院の先生とか。とにかく、たくさんの人にお世話になったから」


感謝の心を忘れない、それも優勝出来た一つの理由かもしれないね。


「修斗、ちょっと!」


「はい。今行きます」


修斗は走って、顧問の山田先生のところに行ってしまった。


高校3年の夏休みは、総体優勝という最高の結果を得ることが出来た。


「里穂!」


「ん?」


先生と話を終えた修斗が、満面の笑みで私のもとに駆け寄ってきた。


少し荒い息で、私の耳元でささやく。


「うそっ」


「マジで。1週間後」


「よかったね。修斗、頑張ったもんね」


この大会を境に、修斗のサッカー人生が、大きく動こうとしていた。