仕事なんて忘れてたって顔して、沙穂先輩が照れたように笑った。


「相変わらず、修斗君はモテるね」


「そうみたいですね」


「一番近くで見て来た、幼なじみとしてはどうなの?」


「えっ?何がですか?」


今度は三角コーンを出してるときに、沙穂先輩がそんなことを言ってきた。


思わず、動かしてた手を止めてしまった。


「だから、幼なじみがモテてどんな気分?」


「どんなって言われても・・・」


そう。


私と修斗は、家が隣同士の幼なじみ。


幼稚園・小学校・中学校・高校、ずっと一緒。


いつも修斗が、サッカーやってるところを見て来た。


「ずっと一緒だった幼なじみがモテて、その辺の女子に妬かない?」


「別に妬きません」


そう言ったら、沙穂先輩がなんだ~って顔して手を動かしだした。