キーパーは全く動けなかった。


綺麗な放物線を描いたボールは、ゴール右上に吸い込まれていった。


「入った!」


「キャー!」


隣の優実ちゃんと、抱きついて喜んだ。


ピッチの上では、修斗が他の選手から背中をバシバシ叩かれてる。


その後も雨の中の試合が続き、後半も残り数分。


「あと1分」


2点差があるけど、1分もあれば追いつかれてしまう。


あと少し耐え抜けば、決勝にいける。


審判がホイッスルに手をやるのが見える。


「早く、笛鳴らして~」


うちのキーパーが大きくボールを蹴り出したのと同時に、試合終了を知らせるホイッスルが鳴り響いた。


雨の中選手が喜び合ってる。


結果2-0、あと1勝で総体制覇。