「だって修斗、いっぱいいっぱい頑張ってるもん。頑張ってる人に、頑張れなんて言わないよ」


「そうか」


「だから自分の納得いくよう、試合をして欲しい。修斗が全力出せるよう、一生懸命応援するからね」


「ありがとな、里穂」


そう言って修斗は、少しだけ私を引き寄せた。


「へへっ、幸せ」


「なんだよ、急に」


「修斗にぎゅってされるの、大好きなんだもん」


「お前は・・・よくそんな恥ずかしいこと言えるな」


「だって今、すっごい思ったから。恥ずかしくても、口に出た」


「ふーん。てか、もう寝ようぜ。明日も俺、試合だし」


「そうだねー私も明日、応援だし。手つないで、帰ろう?」


「バカ。誰かに見られるだろ」


「すぐ離せばいいじゃん。ねっ、お願い」


「はーしょうがないな」