君の隣~サッカーボールを追いかけて~

そう文句を言うと、急に修斗が私に力をかけてきた。


「うわっ、重いよ」


「俺もこれくらい重かった」


「修斗のバカ」


急に身体が軽くなる。


「嘘だよ。ほら、離れろ」


「うん」


背中を離して、修斗と隣り合わせで並ぶ。


「ねえ、修斗」


「ん?」


「負けられなくなっちゃったね」


「そうだな。てか、負けるつもりないけど」


「そうだよね」


「俺さ、里穂」


「ん?」