君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「てかさ、お前のパス受けてみたい。めっちゃ楽しそうにサッカーやるんだもんな」


翼部長も、前に似たようなこと言ってた気がする。


「頑張って追いつくよ」


「俺も、もっと上手くなる」


「ああ」


ちらっと前を見ると、修斗と小林君が握手を交わしていた。


「あと、俺たちに勝ったんだから、優勝してくれなきゃ困るからな」


「分かってる」


「次は、選手権の決勝で」


「おう。途中でこけるなよ」


「そっちこそ」


カンカンと、階段を下りる音がする。


だんだん、その音は消えていった。


「里穂、重い」


「この前、軽いって言ったもん」