君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「それで照れんなよ。事実だろ?」


小林君は、顔をニヤッとさせる。


「まぁ、いや・・・」


恥ずかしすぎて、修斗もなんか曖昧な返事。


「で、本題入るけど」


「あっああ」


まだ動揺してる修斗を後目に、小林君はあっさりと話を変えた。


なんか、不思議だよね。


つい数時間前まで二人は敵同士だったのに、こうやって普通に話してるなんて。


「今日の試合、結構楽しかった。負けたのは腑に落ちないけど」


フーと、小林君が長い息を吐いた。


「俺も楽しかった。レベルの高いチームとやれて、しかも勝てたし」


「なんかムカつくし。準々決勝で負けるなんて、予想外もいいとこ」


「当たった相手が悪かったな」


修斗がクスリと笑うと、小林君も少しだけ笑みを見せた。