君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「すぐそうやって言うんだから。だいたい私は、普通サイズです」


「はいはい。デカ過ぎるより、チビの方がいいよ」


「バカにしてる」


そう言って修斗を睨む私の頭を、ポンポンと大きな手で軽く叩く。


「里穂、声掠れてる?」


「頑張って応援した証」


「喉痛めて、風邪引くなよ?」


「心配し過ぎ。それより、自分の身体心配したら?」


「俺?俺はピンピンしてるけど」


「足痛くない?」


「ああ。大丈夫。俺今、かなり調子いいから」


「そっか。ならいい」


疲れだって溜まってるはずだし、身体だってどこかしら悲鳴を上げてるかもしれない。


それでも修斗の顔に自信や充実感が見れて、私はそれ以上聞くのをやめた。