相手選手より一瞬早く、吉井君がジャンプする。


「行け!」


修斗が蹴ったボールは、ピンポイントで吉井君の頭に。


「入った!」


吉井君のヘディングシュートは、キーパーの手を弾いてゴールに吸い込まれた。


さっきまでの暗さが嘘のように盛り上がるスタンド。


グランドの上では、修斗が吉井君に飛びついて喜んでいた。


結局前半は、1-1の同点で終わった。


ハーフタイムが終わり、後半開始。


どちらのチームも、選手交代はないみたい。


「頑張って!」


修斗がボールを持つたびに、声が出てしまう。


5分、10分と時間が過ぎてく。


お互い、なかなかリズムに乗れないみたい。


てか、相手のいいところの消し合い。