君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「はっ?」


「お前鈍いから、ボール飛んで来てもよけられないだろ」


見下したように笑いながら、修斗は席に戻った。


「ムカつく~」


私はジュースのパックを、思いっきり握ってしまった。


「人をバカにして!」


「里穂先輩、そんなにジュース握ったら中身出てきますよ」


優実ちゃんが慌てた声を出す。


その言葉にはっとして、ジュースから手を離した。


「あっ!」


そのままジュースは、床にバンっと音をたてて落ちた。


「最悪」


手を伸ばして、そのジュースを拾う。


「里穂先輩、いつもジュース貰うんですか?」


優実ちゃんが不思議そうな顔をして、私に聞いた。