「綾香、来てたんだ」


「もう。昨日メールしたじゃん。行くって」


「あっ、そうだった」


「私は部活、終わったから」


「そっか。お疲れ様でした」


1週間前の吹奏楽の大会で、綾香の部活生活は終わった。


「それにしても、里穂の旦那はかっこいいね」


「だっ旦那!?」


「違うの~?惚れぼれしてたくせに」


「うっ・・・」


「図星でしょ?」


「はい。そうです」


「やっぱ、才能ある人は違うね」


ついさっきまで修斗が立ってたピッチに、綾香が目を向けた。


「違うよ、綾香」