総体までの数週間、練習試合をたくさんやった。


どの試合でも、修斗は大活躍だった。


得点をアシストし、自分でもゴールを決める。


地元の新聞記者が取材に来て、キャプテンである修斗に話を聞いてた。


「里穂先輩、始まりますよ」


優実ちゃんの声に顔を上げると、選手が審判を先頭に入場してくるところだった。


お互いに握手をして、いよいよ試合開始。


審判の笛が、澄みきった青空に響いた。


前半開始のキックオフは、うちのチームから。


すぐに修斗にボールが渡る。


右サイドを駆け上がっていた、山本君にパス。


県予選の決勝から、桜井君から山本君に代わっていた。


最近の練習を見てても、桜井君の調子はあんまりよさそうじゃなかったから、選手が代わるのは当然かもしれない。


その桜井君は、ベンチスタート。


試合開始からうちのチームがボールを支配する。