君の隣~サッカーボールを追いかけて~

二人は、なぜか慌てて自分の家に入って行った。


「なんだろう?」


「さあな」


二人で首を傾げてると、またバタバタと足音が聞こえた。


「あんたたち、今までどこで何してたの!」


それは、怖い顔をした私のお母さんと修斗のお母さんだった。


「今何時だと思ってるの!?ケータイもつながらないし」


「えっ?」


二人して鞄からケータイを取り出す。


お互いの画面を覗きこむ。


着信が何件も入っていて、しかも時計は22時を示していた。


「うそっ」


「サイレントのままだった」


学校からずっとサイレントマナーだったから、着信に気づかず。


あまりたっていないと思っていた時間も、かなり過ぎていたことに今さらながら気づいた。