君の隣~サッカーボールを追いかけて~

自分から頼んだはずなのに、心臓がバクバクいって止まんない。


「なに照れてんだよ」


「だって~」


「こっちが照れるっつーの」


好きは、何回言われてもドキドキする。


「あー帰ってきた!」


家に向かう最後の曲がり角を曲がったとき、近所迷惑くらいの大きな声が聞こえた。


「廉!?」


「隼人!?」


廉と隼人君が、私たちのところに走り寄ってきた。


「なにお前たち。なんか用?」


「なんか用?じゃないよ。兄ちゃん」


「姉ちゃんも、やばいよ」


二人がなに言ってるかさっぱりわからなくて、お互い顔を見合わせた。


「帰ってくるの遅いから心配してたけど、俺たち知らないからね」