君の隣~サッカーボールを追いかけて~

不思議に思って聞くと、修斗が少し照れながらこう答えた。


「里穂と歩くのも悪くないと思って」


「へー」


「なんだよその反応。悪いか?」


「悪くないよ。嬉しいだけ」


つないでる手を、ぶらぶら揺らす。


「修斗、大好き」


「知ってる」


「好きは?」


「はっ?」


「好きって言って?修斗、いつも言ってくれないんだもん」


足の止まった修斗の顔を、ジッと見つめる。


「はぁ~お前には敵わないよ、里穂」


「えっ?何が?」


「わかんなくていいけど。好きだよ、里穂」