君の隣~サッカーボールを追いかけて~

うわー朝からすごもん見た~


なんか熱いよ。


「お前ら、いい加減にしろよ」


顔を真っ赤にしながら、翼部長がいつまでも騒いでる3年生に怒った。


そのまま、翼部長は自分の席に着いた。


沙穂先輩はというと、好きって言われて満足そうな表情してる。


「うらやましいな」


「えっ?」


「あっ、なんでもない」


思わず漏れてた言葉に、優実ちゃんが反応する。


不思議そうな顔をしている優実ちゃんに向かって、私は慌てて顔を横に振った。


正直、好きとかはっきり言えていいな、って思ってしまった。


私は、言えないから。


ため息が出そうになるのを、なんとか抑える。


「里穂」