君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「でもそれって、小さい子が貰うやつじゃあ」


「そうなんですけど、21時でお店閉めたら捨てちゃうんで」


「じゃあ、貰ってもいいですか?」


「どうぞ。何色がいいですか?」


「赤がいいです」


そう言うと、店員さんが赤い風船の紐を渡してくれた。


「ありがとうございます」


「里穂」


風船を貰うと、私を呼ぶ声が聞こえた。


「終わった?」


「ああ。お前、何貰ってんだよ」


「風船」


「そうだけど・・・幼稚園児じゃないんだから」


「だって、くれるって言うから」


「ほんとは、ちょっと欲しいな~って思ってたんだろ?」