君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「いつもと同じ」


「里穂だって」


「そうだけどさ」


グルっと店内を回って、レジに来た。


「俺が出すよ」


「あっじゃあ、チョコのお金だけ」


「おう」


修斗に百円を渡して、先にレジを通り抜けて来た。


「短冊飾ってある」


大きな笹の葉に、幼い子の字で願い事が書いてある。


少し上の方を見ると、ゆらゆらと揺れる風船が目に入った。


その風船を追って視線を下げると、ちょうど風船の近くに居た店員さんと目が合ってしまった。


「いりますか?風船」


「えっ?」


確かにちょっと欲しいと思ったけど、それって小さい子が貰うやつだよね。