君の隣~サッカーボールを追いかけて~

翼部長、顔を真っ赤にして慌ててる。


「翼は好き?私のこと」


少しだけ上目づかいの沙穂先輩。


今までうるさかったバスの中が、急に静かになった。


みんな、翼部長の言葉を待ってるみたいだった。


「ねぇ、翼」


「・・・好きだよ」


観念したように、翼部長が小さく呟いた。


それと同時に、バスの中がまた騒ぎ出す。


「今日ってこんなに暑かったっけ?」


「なんか急に、気温が上がったよな」


そんな声まで飛びだした。


もちろん、3年生の声だ。


「沙穂先輩って、大胆ですね」


「うっうん」