君の隣~サッカーボールを追いかけて~

相手がボールを蹴りだしてずぐ、審判が前半終了を伝える笛を吹いた。


「修斗先輩、復帰してから絶好調ですね」


隣に居た優実ちゃんが、私に話しかけてきた。


「うん。でもちょっと心配だよ」


「そうですか?」


「無理し過ぎないかな~って」


「それはそうですよね。また怪我したら、なんの意味もないし」


「うん」


短い休憩時間が終わり、選手がピッチに戻ってきた。


「あれ?桜井君がいない」


「ほんとだ」


「悪かったですかね?プレー」


「そんなことないと思うけど・・・」


前半出ていた桜井君の姿がピッチ上になくて、桜井君のポディションに1年生の山本君が入っていた。


エンジンを組んで、選手がピッチに広がる。