5月の中旬から始まった総体予選。


うちのチームは順調に勝ち残り、文化祭が終わった翌週の今日は準決勝。


そして、修斗の公式戦復帰の試合。


試合会場が少し遠くて、朝からバスに揺られてます。


「ほれ、里穂」


「ん?」


前の席から修斗が後ろを振り向いて、私にオレンジジュースのパックを渡してくれた。


「ありがと」


「眠そうな顔してんな」


「最近ジメジメしてて暑いでしょ?よく眠れなくて」


「なら今寝とけ。少しは眠れるだろ」


修斗はくしゃくしゃと私の髪をなでた。


「ん。寝る」


最近梅雨のジメジメ感と暑さで、よく眠れてない。


バスの中はちょうどいい涼しさで、私はすぐに眠りこんでしまった。