「痛いな~」


「バーカ。誰が本気でやるかよ」


そう言うと修斗は、周りの様子を確認するように首を動かした。


それにつられて、私も周りを見る。


グランドに残ってるのは、ほぼサッカー部の人たちだけだった。


「やばっ。片付けしないと」


慌てて立ち上がろうとすると、また修斗に腕を引っ張られる。


「修斗?」


なぜか私は、修斗に抱きしめられてた。


「ありがとな、里穂」


耳元の近くで、修斗の声がした。


それから少し身体を離されて、触れるだけの軽いキス。


「見られたかも」


「見られたかもな」


二人で笑い合った。