君の隣~サッカーボールを追いかけて~

突然話を振られて、沙穂先輩がちょっと驚いた声を出した。


「私はね・・・」


沙穂先輩が話し出したとき、翼部長がバスに乗ってきた。


「翼」


「ん?どうした、沙穂」


翼部長が笑顔で沙穂先輩に近づいた。


沙穂先輩が翼部長の手を取る。


「なんだよ?」


いきなりそんなことされて、ちょっと困惑気味の翼部長。


「私がマネージャーやろうと思ったのはね、翼と一緒に居たかったからだよ」


沙穂先輩は、私と優実ちゃんに笑顔を向けた。


「なっ、沙穂!?」


カーッと顔が赤くなった翼部長。


「好きだもん、翼のこと」


「沙穂、みんなの前でそんなこと・・・」