君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「なあ、里穂。少し落ち着けよ」


「修斗・・・」


「お前なら出来るから、大丈夫だ」


「でも」


「少し詰め過ぎだって」


「だって、やらなきゃ」


「それでイライラしてたら、何の意味もないだろ?」


「・・・」


修斗が両手で、私の頬を包んだ。


「大丈夫だから、なっ」


その言葉と修斗の笑顔を見たら、また涙が流れた。


「泣くなよ」


「うん」


「里穂なら、絶対大丈夫だから」


修斗の指がそっと、私の涙を拭った。