君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「修斗、痛い・・・」


それでも修斗は、力を弱めようとしない。


「頑張り過ぎなんだよ」


「へっ?」


「最近、顔色悪いし。ちゃんと飯食ってんのか?ちゃんと寝てるのか?」


「それは・・・」


「なに焦ってんだよ。まだ時間はあるだろ?」


「・・・時間なんてないよ」


「里穂?」


修斗が私を離して、不思議そうな顔をして私を覗きこんできた。


「時間なんてない。今度の模試でいい点取らないと、部活やめさせられちゃうんだから!」


「里穂・・・」


「やらなきゃいけないの」


やらなきゃ。


勉強しなきゃ。