君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「やらなきゃ」


涙が止まると、勉強机に向かった。


泣いてる暇はない。


勉強しないと。


鞄から勉強道具を取り出して、机の上に広げた。


それと同時に、部屋をノックする音が聞こえた。


「姉ちゃん、ご飯食べちゃってだって。片付けられないから」


その声に振り返ると、お母さんの伝言を伝えにきた廉の姿。


「いらないから、片づけて」


それだけ言うと、また机に向かった。


後ろからは、パタンとドアを閉める音がした。


絶対部活、やめないから。


これからが本番なんだよ。


部活を途中で投げ出したくない。


部活やってても勉強出来るってことを、お母さんに見せつけてやるんだから。