君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「覚えてないの?」


「はい」


「はい、じゃないよ。由未ちゃんは?終わったの?」


「えっと、まだです」


「まだなら、さっさとやって。絵理ちゃん、ストップウォッチ見せて」


「はい」


ストップウォッチを見て、何周走ったか予想する。


だいたいいつも同じタイムで走ってくるから、何周走ったくらいはわかる。


「このタイムなら、あと2周。先頭は覚えてる?」


「それは、覚えてます」


「じゃあ、声かけてあげて」


「はい」


「由未ちゃんも突っ立ってないで、水の用意終わらせて」


「はい。すみません」


由未ちゃんは慌てて、私のもとを離れていった。