「アップするぞ」


修斗の声が、グランドに響いた。


軽く身体を動かしてから、校舎周りを5周。


「絵理ちゃん、タイムいい?」


「はい」


今日は、絵理ちゃんと由未ちゃんに別々の仕事をさせる。


「由未ちゃんは、水お願い」


「はい」


別々の仕事をさせれば、おしゃべりだって減るはず。


優実ちゃんはもう、ボールを出しに行ってる。


このくらい、テキパキ動いてくれると助かるのにな。


私も優実ちゃんの手伝いをするために、倉庫の方に向かった。


「里穂先輩、二人だけにして大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ。別々の仕事させたし」


ボールの入ったかごを引っ張り出す。