「危ね~」


「修斗!」


後ろに倒れそうになったところを、どこからか現れた修斗がタイミングよく支えてくれた。


「お前な、取れないなら俺に言えよ」


「だって、修斗いなかったんだもん」


「スポーツ雑誌のところにいた」


「本屋に来たとたん、いなくなったくせに」


ちょっとしたデート。


恋人になってからまだ、本格的にデートってしたことない。


だからね、帰りに二人でどこかに寄るだけでも嬉しいんだ。


でも修斗ってば、本屋に入ったとたんどっかに行っちゃって。


もう最悪。


「あと少し~」


私はもう一度、手を伸ばした。


「これか?」