この卒業式が終わった二日後には、学年末テストが控えている。


私の周りには、必死で単語を覚えてる生徒がちらほら。


みんな、卒業式どころじゃない。


それに、修斗みたいに寝てる生徒もいる。


在校生の中に、真面目に式を聞いてる人なんているんだろうか?


「修斗も覚える?」


制服のポケットの中から、単語帳をいくつも取り出す。


「お前、何個作ったんだよ?」


修斗が呆れたように、私を見て来た。


「ん?全教科だけど?」


「はっ?よくそんな時間あったな」


「だって、書かないと覚えられないし。それに、習ったときからコツコツやってれば大丈夫だよ」


式の邪魔にならない程度の声で、会話を繰り返す。


「なにかいる?」


「日本史」