君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「お礼、それでいいよ」


修斗が、ニッコリ笑う。


「なんで私がそこまで!」


なるべく修斗の上半身を見ないようにして、修斗を睨みつけた。


「感謝しなきゃいけないことしてもらって、お礼をするのは当たり前だろ?」


「うっ・・・」


私が返す言葉に詰まったとき。


私の部屋のドアが、バーンと思いっきり開いた。


「姉ちゃん、腹減ったんだけど」


そう言って、弟の廉(れん)が入ってきた。


「わっ、修兄なんで脱いでんの?」


「これから里穂を襲おうと思って」


「ヘーマジ?」


「んなわけないじゃん。着替えてる途中で里穂に呼ばれただけ」


「もー分かった分かった!ノート見せるから。また明日」