君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「ちょっと。もっと喜んでよ」


「よかったな」


「棒読みなんですけど」


ちらっと後ろを振り返って、慌ててまた視線を自分の部屋の方に戻した。


やっぱ、見れない~


「なぁ、里穂」


「なによ」


「どっちかってゆーと、里穂が俺に礼を言うべきなんじゃない?」


「はっ?」


「自転車の後ろに乗せたのは誰?」


「修斗」


「早く帰って来れたのは、誰のおかげ?」


「修斗」


「それで、探すのを手伝ったのは誰?」


「修斗・・・って違う!これは自分で、見つけたの」