君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「お願いだから、そんなこと言わないで」


私は、修斗の広く大きな背中に抱きついた。


お腹の辺りに手を回す。


「そんな悲しいこと、言わないでよ」


「里穂・・・」


自分の手が、修斗に握られたのがわかる。


「ごめんね、修斗」


「なんで、謝んだよ」


「苦しかったね。一人で今まで頑張ってきて」


リハビリは、孤独な作業だって誰かが言ってた。


精神的に強くないと、無理だって。


途中で崩れそうになるって。


修斗なら大丈夫だと思ってた。


修斗は強いから。


いつも私を守ってくれるから。