君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「またおじさん、忘れ物?」


修斗はちょっと笑った。


本当の笑顔ではなく、無理した笑顔で。


「うんん、うそ。修斗の様子、見に来た」


「そっか」


「うん」


修斗は近くにあったベンチに座った。


私も隣に座る。


「修斗、大丈夫?」


「ああ」


真っ直ぐ、前にある木を見つめてる修斗。


その顔には苦悩の表情が浮かんでいて、大丈夫なんてこれっぽっちも感じられなかった。


「俺さ・・・」


「うん」


修斗はポツポツと話しだした。