「病院の、どこ?」


『どこって・・・なんで?』


「なんとなく」


『中庭』


「今から行くね」


『はっ?行くって・・・』


最後まで聞かずに、電話を切った。


中庭を目指して、早歩き。


でもいつの間にか、走りだしてた。


「修斗!」


「里穂!?」


修斗は、葉っぱが落ちて枝だけになってる木の傍に立ってた。


息を整えながら、修斗に近づく。


「なんで里穂がここにいんだよ」


「お父さんの忘れ物、届けに来たの」