「リハビリ、上手くいってないの?」


修斗は答えなかった。


無言のまま、家までたどり着く。


「修斗」


「なに?」


「焦っちゃダメだよ」


私は、それしか修斗にかける言葉が見つからなかった。


きっと、修斗のリハビリは上手くいってない。


この前、手術したところに痛みを感じてたし。


リハビリのペースが、少し落ちてるのかもしれない。


「ゆっくりでいいからね」


修斗は小さくうなずき、家の方に歩いて行く。


その途中、コンクリートの壁をグーで殴った。


修斗の焦る気持ちが伝わって来て、胸がギューって苦しくなる。


この日初めて、今の修斗の状態を知った。