君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「修斗、どうして断ったの?」


「・・・」


冷たい風が吹いてるなか、家に向かう帰り道。


隣を歩く修斗に聞いてみた。


「怪我してるから?」


「それもある」


「それもあるって、他に理由があるの?」


「別に俺が断ろうと、里穂には関係ないだろ」


冷たくそう言われてしまった。


「私は、修斗が適任だと思っただけ」


「俺じゃなくても、誰かがやるさ」


「そう・・・だね」


「いつボールが蹴れるようになるかわからん奴より、グランドに出てボールを蹴れる奴がやった方がいい」


「いつって。もう、ジョギングとか開始してるんでしょ?」


修斗は、しまったって顔をした。