君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「無理にやれとは言えない。吉井」


「はい」


翼部長が次に目を向けたのは、吉井君。


吉井君も、修斗と同じ1年生のときからレギュラーだった。


「このキャプテンマークは、お前に渡しとく。修斗と吉井の二人で、チームを引っ張ってって欲しいって思ってたから。誰がつけるかは、これから話し合って」


「はい」


キャプテンマークは、翼部長の手から吉井君に渡った。


私は、修斗が断る理由がわからなかった。


怪我のこと気にしてるかな?


それとも、やりたくないから?


「俺の話は以上です。みんな、サッカー楽しんでな」


「はい」


最後の翼部長の言葉に、みんな笑顔でうなずいた。


その中、一人浮かない顔の修斗。


その日の帰り。