「保健室の先生か~先輩なら、きっとなれます」


「ありがとう、里穂ちゃん」


「離れ離れって、寂しくないですか?」


「寂しいよ。小さいころからずっと一緒だったわけだし。でも、大丈夫」


「大丈夫なんですか?」


「うん。今までの思い出があるし。それにね・・・」


沙穂先輩は、左手を私と優実ちゃんの前に出した。


「あっ・・・」


「指輪」


沙穂先輩の薬指には、かわいい指輪がはまっていた。


「久しぶりにデートしたときにね、露店があって翼が買ってくれたの」


「そうなんですか」


「何百円のおもちゃだけど、4年間離れ離れでも頑張ろうって」


「それって、将来的には?」


「さぁ?今は分からないけど。でも、これがあるから大丈夫なんだ」