君の隣~サッカーボールを追いかけて~

夕方も近くなり、街に明かりが灯り始める。


私たちは最後の目的地、テレビ塔を目指していた。


「里穂、先出てるよ」


「うん」


前の場所でお手洗いによって、先に出た綾香がまだ中にいる私に声をかけた。


私も急いで出て、綾香の後を追う。


「こっちだっけ?」


男子チームとお手洗いに行かなかった紗知と待ち合わせになってる入口。


うろ覚えで何となく不安になりながら、右に曲がった。


「あれ?」


待ち合わせの場所に着いても、誰もいない。


「間違えたかな?」


左右に首を振っても、やっぱり誰もいない。


ウロウロしてると、ケータイが鳴った。


「もしもし?」