君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「きっと、だろ?きっと」


修斗は、無理無理って顔して手を振った。


「修斗のバカ!」


「俺は事実を言っただけだけど?」


「事実かわかんないじゃん」


「わかるっての。修学旅行内で雪降ったら、絶対お前コケるね」


「コケないもん」


「はいは~い。夫婦喧嘩はそこまで」


綾香が私たちの間に入った。


「夫婦じゃない!」


そんな綾香に、私と修斗が同時に叫ぶ。


「夫婦でも恋人でも幼なじみでもなんでもいいけど、叫ばないでくれる?他のお客さんに迷惑でしょ?」


周りを見ると、ここに来てるお客さんがちらちらっとこっちを見てる。


紗知と吉井君は、ちょっと後ろの方で苦笑いしてるし。


恥ずかしくなった私たちは、急いでそこを出た。