だって、こんなにも心臓がドキドキいってる。


もしかしたら、修斗に聞こえちゃうかもしれない。


治まれ心臓~って思っても、一回鳴りだした心臓はなかなか静かにならない。


「修斗、髪の毛伸びたね」


「そっか?」


なんか緊張して、変なことを話しだしてしまった。


「うん。伸びたよ」


「自分じゃ気づかないからな」


曲がり角を曲がったところで、家が見えて来た。


このドキドキから解放されると思うと、ものすごくホッとした。


「着いたぞ」


「あっありがとう」


私の家の前でゆっくりと止まった自転車から下りて、フーっと息を吐く。


「じゃあな」


修斗は私の髪をくしゃっとすると、2・3回ペダルを漕いで隣の家に入って行った。