陽介さんにバスケの試合のチケットを貰ったから見に行って、と修斗に言われたのがほんの数分前。


絶対里穂ちゃんに渡せよ、と脅されたらしい。


どんなに仲が良くても、年上には敵わない。


でも、私の答えはノー


だって、陽介さん苦手だし。


「怪我が治って一発目の試合で、張り切ってたよ」


「ふ~ん」


今は10月の終わり。


陽介さんは10月の始めにリハビリを終え、いよいよ実戦に復帰するそうだ。


わざわざ病院に来てまで、修斗にチケットを渡した陽介さん。


「陽介のやつ、里穂狙ってるんじゃないの?」


「まっさか~」


一目惚れとか言われても、困るもん。


だって私の好きな人は、目の前にいる修斗だけ。


他の人なんて・・・