「ヤダったよ~」


「うん」


修斗に抱かれて、たくさん泣いた。


「あの、くそジジイ。突き出してやればよかった」


そう言って修斗は、大きなため息をついた。


「落ち着いたか?」


少し身体を離して、私の顔を覗く。


「うん。大丈夫」


「そっか」


修斗は優しく笑って、私の頭をなでた。


「ありがと。助けてくれて」


「お前、俺が行かなきゃ我慢するつもりだったろ?」


「うん」


「バカ!大声で叫ぶくらいしろよ」


「だって、怖かったんだもん」