君の隣~サッカーボールを追いかけて~

その日の帰りの電車は、行きの電車より混んでいた。


近くでコンサートかなにかやっていて、それと帰りが重なったみたいだった。


「混んでますね」


「うん」


沙穂先輩と優実ちゃんと並んで、降りるドア側に寄った。


「翼部長、点決めてかっこよかった」


「うん。私も惚れ直した」


そう言った沙穂先輩の顔は、少し赤くなってた。


さっきの試合の感想を言い合ってると、私の後ろにぴったりと男の人がくっついてきた。


なんか、ヤダな。


いくら電車が混んでるからって、そんなにくっつかなくていいのに。


電車が揺れるたびに、その人の鞄か何かが私のお尻に触れる。


気持ち、悪い。


そのうち、ぞわぞわって身体中に悪寒が走った。


もしかして、触られてる?